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医学界では、治療方法が確立されていないような難病について、具体的な症例を持ちより議論することが欠かせません。症例によっては、脳外科から小児科まで様々な分野の専門家が協力する必要もあります。これまでは学会に足を運び、各界の専門家からの意見をヒアリングするというのが通例でした。しかし、全国に散らばる医師たちを一堂に集めるために会場費がかさみ、医師たちの移動による負荷も相当なものです。そうした課題を解決するのが、ビデオ会議(TV会議)を利用した多地点カンファレンスです。
かつてのビデオ会議といえば、画質が低く、映像や音声が乱れることがしばしばでした。しかしながら、ハード・ソフト両面のテクノロジーは飛躍的に向上しており、現在では従来のようにストレスを感じることは少なくなりました。クリアな画質と遅れのない音声によって、距離を感じさせない会議が可能となっています。こうした技術面の進歩は、極めて専門的な会話が交わされる医学界のカンファレンスにおいてとても重要です。
各地に点在する専門家が場所を移さずにカンファレンスに参加できるのも、ビデオ会議の品質が向上し、わざわざ出向く必要性を感じなくなったからだと言えます。さらに学会への出張がなくなれば、これまで限られていた参加人数や開催回数の制限を取り払うことにつながるでしょう。
目の前にいる患者の治療が最優先となる現場の医師にとって、1分1秒でも無駄にすることはできません。このため、現場で活躍する医師にとっては、移動を伴う長時間の会議への参加は難しいものがありました。しかし、ビデオ会議を利用したカンファレンスなら自由に参加・退出が可能です。一度会議を退出しても簡単に接続でき、再び議論に加わることができるのです。
カンファレンス以外にも医療分野でのビデオ会議は活躍の場が広がっています。地震などの災害発生時に、ビデオ会議を用いた遠隔医療は非常に有効です。大規模な災害が起こると、局地的に大量の負傷者が出ます。現地での医師の確保が難しい場合もあるでしょう。そうした非常事態でも遠隔地の専門医が現場に指示を出し、治療の優先順位や限られた医療資源の適切な利用方法を伝え、初動が重要となる緊急時の医療が効果的に行われます。また、救急病院への搬送時間を削減できるため、十分治療に時間をかけることができます。この有効性は、学術誌『ジャーナル・オブ・メディカル・システムズ』で研究結果として発表され、オーストラリアでは実際に「医療キオスク」が導入されました。カメラ付きのノートパソコンや心電図モニター、血圧モニターなどを備え、それらの機材を使用して医師が遠隔地の患者を診療することができます。2012年の実用化以後、大規模災害は発生していませんが、開始から11カ月間で3000件以上の救急患者の利用がありました。実際に患者の搬送時間が減少したことは高く評価されており、より広範な地域への導入が予定されています。
ビデオ会議を利用した遠隔医療は地域の医療格差改善にも貢献します。国土が広く、医療レベルの地域格差が激しいブラジルでは、すでに遠隔医療が大学病院で実用化され、地方病院の診察室に設置されたモニターを通じ、患者は都市部にいる専門医の診察を受けることが可能です。高品質の映像はリアリティにあふれ、患者は本当に医師と同じ部屋で診察を受けているような感覚を得られます。臨場感のある診察のため、医師は患者の状態を素早く、より正確に把握することができるのです。患者の移送費用の削減にもつながり、利用者からは大きく評価されています。また、多地点講習会をはじめ医療教育や医師同士での情報交換も、医療レベルの向上につながります。利用者から大きく評価されている点は、まず鮮明な映像で患者の状態が確認でき、そして医師同士が顔を見て会話ができることにあると言います。ここでもクリアな映像と音声が一役買い、医師同士の強い一体感を生みだしているのです。地方に赴任し同業者との交流をはかるのが難しい医師にとっては、モチベーションを保つことにつながり、さらに、ビデオ会議を通じた交流から最先端の情報にアクセスできます。現場の医師からは、医療格差の改善に貢献するとの声が上がっています。